Fate / open the demonbane

 

第13話 「衝突後…」

 

 

 

俺は目を覚ますと、見知らぬベットの上にいた。

 

(何処だ? ココ?)

 

気を失うまでの記憶を探ってみる。

 

(確か、バーサーカー戦が終わって、イリヤの説得も無事に終了したとき……)

 

そして、背後からの一撃で気を失ったのを思い出した。

 

「ともかく、現状把握が先だな」

 

そう思い、辺りを見回すと様々な調度品が目に入り、かなりの金が掛かったつくりになっているのがわかった。

そして、ドアが開いた。

 

「あ、シロウ! 起きたんだ!」

 

ドアから入ってきた、イリヤが喜んだ様子で駆け寄ってきた。

 

「ああ、イリヤ? ココは何処だ?」

 

「ココはお城の中よ、ところで傷の方は大丈夫?」

 

心配そうに聞いてくる、イリヤ。

 

「ああ、大丈夫だ。で も、いったい誰が?」

 

「あ、それはね」

 

その時、二人の女性が入ってきた。

 

「ほら、早くしなさい、リーズリット」

 

「いたい、セラ」

 

二人ともメイドの格好をしていた。

 

「あ! 紹介するね、私の世話役のリズとセラ」

 

「お嬢様のお世話をしている、セラと申します」

 

お辞儀をしてそう挨拶をする。

 

「リーズリット。 リズって呼んで」

 

こちらは片手を挙げて挨拶をする。

 

「リズ! あなた」

 

セラはリズを注意するのはいつもの事なのか堂に入っている。

 

「気にしてないからいいよ」

 

「だって」

 

相槌を打つリズさん。

 

「は〜、エミヤ様。傷の方は大丈夫でしょうか?」

 

「ああ、もういいです。俺は昔っから傷の治りは速いですから。でもいったい誰が?」

 

「あ!私」

 

リズが声を出す。

 

「え?」

 

「シロウ、イリヤ泣かした。だから叩いた」

 

「どういうことだ?イリヤ」

 

「あのね、私が泣いていたところ見られていたみたいで、勘違いしたリズが士郎の背後から、モップで思いっきり叩いちゃったの」

 

(ああ、なるほど)

 

背後からの攻撃はリズからだったことがわかった。

しかし、女性とは思えないほどの強烈な一撃だった。

 

「ところでセイバーは?」

 

「セイバーなら食堂でケーキを食べているわよ」

 

朝食のときも思ったが、セイバーはかなりの食欲の持ち主だな。

 

「ところで、イリヤ」

 

「ん? 何シロウ」

 

聞き返してくるイリヤ。

 

「これからどうする? 俺はうちの方に戻るが、イリヤは色々と準備があるだろう?」

 

「ああ、その事。 もう終わらしたよ」

 

なかなか手回しが早いイリヤだった。

 

「そうか、だったらセラとリズはどうするんだ?」

 

「二人の事? このお屋敷の整理がついたら来て貰う事になっているから、2,3日後になると思うよ」

 

「そうか」

 

俺はベットから起き上がる。

 

「それじゃあ、帰るかイリヤ」

 

俺の言葉に、イリヤは満面の笑みを浮かべる。

 

「うん。 シロウ」

 

 

 

 

 

 

「ねえ、士郎達遅くないかしら?」

 

もう、夜になるのにまだ士郎達は帰ってきていなかった。

 

「先輩……」

 

桜が不安そうな表情をする。

 

「そうですね。 あの2人でもバーサーカーには及ばなかったとしか…」

 

ライダーが不吉なことを言う。

 

「ちょっと、ライダー」

 

「そうだな、あの小僧が負けたことも可能性としてはある」

 

アーチャーまでがそれに続く。

 

「大丈夫なんじゃねえか」

 

「え?」

 

ランサーが口を挟んだ。

 

「何故だね? あの小僧とセイバーのコンビでもバーサーカーとの勝率は5割を切るはずだ」

 

「はん、勝率ね。 そんなもん関係ねえよ。 シロウたちが勝つに決まってんだろうが」

 

アーチャーの言葉を否定するランサー。

 

「どうしてそう思うのですか?」

 

その答えに、ライダーが質問をする。

私としても聞きたいと思った。

 

「カンだよ」

 

「カンですか……」

 

どんな答えが返ってくると思えば少し拍子抜けした。

 

「ああ、セイバーの奴もそうだが、シロウの方もとんでもない隠し玉を持っているはずだぜ。 俺はそういったカンはよく当たるんだよ」

 

「その可能性はありますね。 彼の能力は、まだはっきりとわかっていませんがバーサーカーを妥当できる切り札を持っていても可笑しくはありません」

 

「まあ、それもあるでしょう。 あまり人目にさらしたくないから、セイバーだけを連れて行ったんだと思います」

(協会に所属していたら封印指定確実ですからね)

 

バゼットがそれを肯定する。

 

「それじゃ、先輩は大丈夫なんでしょうか?」

 

「まあ、絶対とはいえませんが大丈夫でしょう。 士郎も引き際も心得ていますし」

 

その言葉にホットした表情になる桜。

 

その時、チャイムが鳴った。

 

「誰かしら? こんな時間に」

 

敵ならこの家に張られている結界に反応するはずだから、違うだろう。

 

「ちょっと、見てくるわ」

 

そういって、私は居間をでて、玄関に向かった。

 

そして、ドアを開けたそこには……。

 

 

 

 

 

【次回、登場? 誰が? あの人物が! 自称、士郎の婚約者?】