Fate / open the demonbane

 

第5話 「初日…」

 

 

 

朝日が差し込み、俺は目を覚ます。

久しぶりに布団で寝たせいか、体がすっきりとしている。

 

「うん〜〜、久々に気持ちのいい朝だな」

 

布団をたたみ、早々に学生服を着ると、洗面所に向かい顔を洗う。

 

(そういや、久しぶりに1人だけの朝になるな)

 

アメリカにいってる間は師匠たち、こっちに帰ってきてからは藤ねえたちと一緒に朝食をとったりするのが普通だった。

 

(しかしまあ、聖杯戦争が始まりだしたんだ。 気合をいれなくちゃな)

 

ゆるもうとした気持ちを引き締めなおす。

今日は朝のうちに一成の方の用事を片付けてしまおうと思った。

 

(そうと決めたら、さっさと学校に行く準備をするか)

 

準備をしている最中に少し気になるニュースが目に入る。

 

(新都の方でガス漏れによる、意識不明者だと? なんだか、最近多すぎる。 まさか……)

 

聖杯戦争がらみの事件ではないかと俺は推測した。

 

(魔術によるものだとしたら、かなりの実力が無いと…。 キャスターの仕業か?)

 

サーヴァントの仕業とするとかなりの確率でキャスターの仕業だと思うが何事にも例外というものがある。

その、不確定要素を頭の中に入れながら行動していないといざというときに痛い目にあう。

 

(ん〜〜、今はまだそう派手に動くわけにもいけないんだが……)

 

大聖杯が起動を本格的に行い始めない時に、大聖杯を破壊してしまうと、破壊のときの影響で辺り一帯の地脈に狂いが生じ、下手をすると地脈の方に呪いが流れでてしまう。

そのため、大聖杯が起動を本格的に開始して、地脈との繋がりが一時的に切れているときに破壊しなければならないのだ。

そして、その大聖杯が本格的に起動をし始めるのは1人はサーヴァントが倒されなければならない。

だからこそ、いままで大聖杯のある場所が分かっていても手を出せなかったのだ。

 

(夕方、新都の方に行ってみるか)

 

方針を決め終わると久しぶりに、簡単な朝食ですませ、学校に向かう。

 

 

 

学校に着くと、一成に会うために生徒会室へと向かう。

生徒会室前に着くとドアにノックをする。

 

「はい」

 

「俺だ、一成」

 

すると、ドアが開き中から一成が出てくる。

 

「どうした、衛宮? こんな朝早くから」

 

「ああ、昨日いってた器具の修理をやっちまおうと思ってな」

 

「ん! いいのか?」

 

喜んだ表情をつくる一成。

 

「ああ、こう言うことはとっとやっちまったほうがいいからな」

 

「そうだな、ちょっと待っていろ、すぐに準備する」

 

そう言って、一成は一度生徒会室の中に戻り何か資料を取ってきた。

 

「なんだそれ?」

 

「ああ、器具のチェックリストだ。 では、衛宮。 いくぞ」

 

「ああ」

 

こうして、俺達は授業の開始まで校内を歩き回り、壊れていた器具の殆どをよみがえらせた。

 

 

 

特に変わったこともなく、放課後をむかえ一日が終わろうとしていた。

俺は今朝のニュースの内容を確かめるために新都のほうへと向かう。

 

新都に着いたときにはもう日が沈みかけていて夜になろうとしていた。

 

(とりあえず、公園の方に行ってみるか)

 

あそこは、前回の聖杯戦争の最終舞台だった場所だ。

だからこそ、今回のマスターの内、様子見をかねて誰か来ている可能性があった。

 

歩いて公園の方に行くと結界が張ってあるのに気づく。

 

(人払いの結界か、術式からしてかなりの実力のある魔術師だな)

 

結界を構築した魔術師は一流と称してなんら損傷の無い力量の持ち主だ。

それほどの人物が何も無いこの公園に何の目的もなしに結界を張ったとは考えにくい。

おそらく現在この中ではサーヴァント同士の戦いが行われているはずだ。

 

(どうする、中に入り込むか?)

 

中に進入すれば現在行われていることの把握はできる。

しかし見つかった場合、自分も魔術師もしくはその関係者だということが相手にもわかってしまうだろう。

幸い、感知系の術式は組み込まれていなかったが、万が一という事がある。

そうそれば、自分が裏で自由に動けなくなる。

 

(ええい! 出会っちまったんだ、見知らぬフリなんかできるか!)

 

それに、おそらく昨日会った、あの少女はアインツベルンの関係者だろう。

だったら、遅かれ早かれ巻き込まれることになるはずだ。

俺は結界の中に入る決心を固める。

 

 

 

ここで俺は3人の知り合いと出会う羽目になった。

 

『なんでさ』

 

 

 

【さあ、3人の知り合いとはいったい誰なのか? まあ、バレバレでしょうけどね。次回へと続く】