ジリリリリリリリリリリ―――――――ぱち

 

「う〜、今何時だ? 」

 

「お、やっと起きたのかい士郎」

 

なんだかとっても思い出しては行けない夢を見ていた気がするけど、取り合えずは挨拶だな

 

「おはようタカミチ」

 

「おはよう、それと今は九時過ぎだよ」

 

九時過ぎか・・・寝すぎたかな? 

 

「ごめん直ぐに朝飯作る」

 

俺がそう言い立とうとすると、台所から何故か超が出てきた・・・・・・なんでさ

 

「士郎ぼやぼやしてないで、さっさと顔洗ってくるネ」

 

「君に用が有って来たらしいんだけど熟睡(かなり魘されてたんだけど)してたから、上がって待って貰ってたんだよ。士郎」

 

「そうなのか? すまん超、直ぐに顔洗って着替えるから」

 

俺は超に謝ってから、身支度を整えに向かったなんだか朝から謝ってばかりだな〜

 

 

 

 

第十五話

 

 

 

俺は遅い朝食を食べ終わってから超に用件を聞くことにした。

 

「それで俺に用ってなんだ? 」

 

俺が聞くと

 

「それが休日の朝早くから待ってあげた上に、朝食まで作って上げた人に聞く態度ネ? まあいいけど・・・士郎の第二研究室が出来たからそれを教えに来たヨ。それと私にも一枚噛ませるネ」

 

そうか第二研究室が出来たのか・・・これで等分金に困らずに済むな、それより一枚噛ませろって言う事はバレたのか・・・・取り合えず誤魔化してみるか? なんだかえらい事になりそうな気がするし

 

「一枚噛ませろってなんの事だ? 」

 

「惚けても無駄ネ、大体個人の研究室を新しく外に作る費用は無いのに如何して士郎が研究室持てるのかが怪しすぎヨ、悪いとは思ったけど調べさせて貰ったね。」

 

あ〜全部バレてるっぽい・・・・・・・仕方ないか

 

「解かった俺の負けだよ超・・・・・でもなんで一枚噛せろって言うんだ? 超の事だから全部知ってるんだろ? 」

 

俺が聞くと超は「当たり前」という顔で

 

「今流行のアクセサリーブランド『イーグル・アイ』安い物から高い物まで色々と有るけど、数が少なく大手企業でも中々手に入れられない人気商品を作っている企業で製作者・経営者すら知られていない、まるで何処かの秘密結社みたいな会社ネ。」

 

やっぱり全部知られているな表の事は

 

「ちょっと待ってくれ超君、如何してそんな会社が士・・・・衛宮先生に関係してるんだい」

 

タカミチが超に聞く

 

「ちゃんと話すから少し黙って欲しいネ高畑先生・・・コホン続けるヨ、私はその製作者と経営者を調べて探しあてたネそれが士郎と学園長ヨ」

 

「本当かい?」

 

タカミチが俺に聞いてくる

 

「本当だよ、それにしても良く解かったなそれで超は何を思って一枚噛ませろなんて言うんだい? 」

 

俺が真剣に聞くと

 

「簡単な事ネ、私が外部に情報漏れがないようにプログラムを作ってネット上でも売買出来るようにするから利益の一割か二割をロボット研究会に回して欲しいネ。士郎の御蔭で茶々丸のスペックが大幅に上がったのを切欠に他の研究員達も士郎に負けないように、物凄く努力しているから設備をもっと充実させたいヨ。私の研究にも資金が欲しいし」

 

「OK、解かった。学園長の方には俺から言っておくから、この事は秘密にして措いてくれタカミチも」

 

「しかたない。秘密にして措くよ」

 

「それじゃこの話はこれまで。俺はこれから茶々丸のメンテナンスをする予定だから、探さないと行けないから」

 

「それじゃあ僕も帰る事にするよ」

 

俺がそう言い席を立つとタカミチも席を立った。すると超が

 

「茶々丸なら、たぶんハカセと一緒に居る可能性が高いヨ。今日軽くメンテナンスするって言ってたから」

 

そう言って俺を呼び止め携帯を出した。窓の方を見るとネギが物凄い速さで飛んで行くのが見えた様な気がした。・・・・・・まさかな、こんな人目の付く時間から空を飛ぶなんてネギがする訳ないし

 

 

ちょっと時間を遡ってside エヴァ

 

私は、今ハカセと一緒に茶々丸の元えと向かっている。なんでも今日はハカセが茶々丸のメンテナンスをするらしい簡単な整備しかしないらしいが、少し歩くと茶々丸を直ぐに見つけた。

 

「茶々丸ここにいたか、昨日の学園長の話だがな桜通りの件を感づかれたようだ・・・・・釘をさされた。やはり次の満月までは派手に動けん、もっとも坊やが動けばこちらも対処はするがな・・・・・どうした? 茶々丸」

 

私は茶々丸に、昨日学園長に呼ばれた内容を茶々丸に言い茶々丸の前の席に座った。しかし、どうも茶々丸の様子がおかしいので聞いてみた。

 

「昨日から様子が少しおかしいな、何かあったのか? 」

 

茶々丸の後ろではハカセがチュイィ――――ンと作業をしている

 

「・・・・・・・・・・・・・いえ、何もありません」

 

「そうか? ならばいいが・・・あっコーヒーもらうぞ」

 

茶々丸が答えるのに少し間が有った様な気がしたが、ハカセが作業をしているのでおくれたのだろう私はそう思いコーヒーを一口飲んだ。するとハカセが

 

「何の話をしてるんですか〜〜〜〜? 二人とも」

 

と聞いてきたので

 

「ハカセには関係のない話だよ」

 

と答えてやった

 

「ふーん・・・・? あ、泥が詰まってるもっと丁寧に動いてね茶々丸」

 

「申し訳ありませんハカセ」

 

茶々丸がハカセに謝罪したのと同時にハカセの白衣から音がなった。ハカセは作業をいったん止め携帯を取り出した。

 

「もしもしあっ超・・・・・茶々丸? 今、一緒にいるけど・・・うん・・・分かった。でもそこまでする必要は無いと思うよ? ちょっと泥が詰まってるぐらいだし、衛宮君も心配性だね〜うんそれじゃあね〜」

 

「誰からの電話だ? 何やら茶々丸に関係しているみたいだが」

 

私が聞くと

 

「超から衛宮君が茶々丸を探してるから一緒に居るなら、衛宮君の研究室に連れて来てくれってさ。という訳で茶々丸、後で行って来てね。」

 

ハカセはそう言うと作業を再開した。士郎の研究室か・・・・・私も行ってみるか

 

 

 

 

まだまだ時間を遡ってside ネギ 

 

休日の朝、ネギはというと

 

「何で情けなんかかけたんスか!? あそこで仕留めておけば万事解決でこっちの勝利だったのに!!」

 

怒られていた。此処でのカモの失敗は、何者かの妨害が有ったことを知らない事で有りネギが妨害が有った事をカモに教えていない事だった。

 

「でもカモ君やっぱり茶々丸さんは僕の生徒だ「甘い!!」」

 

「兄貴は命を狙われてんですよ!?奴ァ生徒の前に敵ッスよ。敵!!」

 

さすがに可哀想に思ったのかアスナがフォローにはいる

 

「ちょっとそこまで言う事ないんじゃない。エヴァンジェリンも茶々丸さんも二年間私のクラスメートだったんだよ? 本気で命を狙ったりとかまですると思えないだけど・・・・」

 

「甘い!! 姐さんも甘過ぎっスよ! 見てください俺っちが昨晩「まほネット」で調べたんすけど・・・・あのエヴァンジェリンて女、15年前までは魔法界で600万ドルの賞金首ですぜ!? たしかに女、子供を殺した記録はねーが闇の世界でも恐れられた極悪人さ!! 」

 

カモはそう言いネギとアスナに画面を見せた

 

「なんでそんなのがウチのクラスにいるのよ?」

 

とアスナは叫び

 

「うう〜でっでも・・・・・アレ、カモ君この顔写真の載ってないのは?」

 

ネギは反論しようとしたが、画面に載っているもう一つの賞金首になっている(写真なし)が気になりカモに聞いた

 

「コレッスか? コレは前に話した「千の剣を持つ男」サウザンドブレイドの物ッスよ。まあ、オイラにしてみればこの男の二つ名の一つでしかないんですがね。他の名は物騒すぎるのが多いですから」

 

カモはそう言うと何かに気付き

 

「って今はその話はなしッス!! また今度話やすから!! とにかく奴らが今本気で来たらヤバイんスよ!! 兄貴達だけじゃなく他の一般人にも迷惑がかかるかもしれないんすよ!! とりあえず兄貴が今寮にいるのはマズイッスよ」

 

「そっそうね今日は休みで人も多いし・・・・・・」

 

カモとアスナはネギをこれからどうするかを話合おうとするが、ネギが突然立ち上がり杖と上着を持って窓から飛び立ってしまった

 

「ネギ―――――――」

 

「兄貴―――――――」

 

 

 

 

side 士郎

 

「取り合えずハカセに伝えたから士郎は、第一研究室に行って待ってればいいヨ。ハカセ達は第二研究室が有るのは知らないから」

 

超は俺にそう言い「また、学校で」と言って出て行った。するとタカミチが

 

「僕も失礼することにするよ。後、コレ本当に借りて行っても良いのかい? 」

 

「別にいいよ、見られても困るような物じゃないから」

 

「それじゃあ借りていくよ。君のアルバム」

 

タカミチはそう言い、アルバム片手に出て行った。俺も行くか、途中アスナとカモが走っているのが見えたが何が有ったんだ? 俺が研究室に着くとすでに茶々丸と何故かエヴァが居た

 

「遅かったな士郎」

 

「いやなこんなに早く着くとは思わなかったし・・・・っていうかなんでエヴァも居るんだ?」

 

「なんだ私が居てはいけないのか?」

 

今日のエヴァはなんだかご機嫌斜めの用だ。お願いですから「赤い悪魔」並みの笑顔はヤメテクダサイ

 

‘士郎、ブッチKILL!! ’

 

何!! 今の声!!

 

「どうかしたのか士郎? 顔色が悪いぞ」

 

エヴァが聞いてくる

 

「いや何でもないよ体調も悪くないし」

 

そうだ何も無かった。さっきの声も幻聴か空耳だし一瞬感じた殺気も気のせいだ!!

 

「取り合えず始まるか・・・茶々丸、台の上に寝てくれ」

 

「解かりました」

 

 

 

三十分ほど茶々丸を調べたがコレと言った故障はなかった。通常回路も俺が新しくした魔力回路(この場合魔力を効率的に流す回路で擬似神経のような物ではない)にも異状はない。今は茶々丸が睡眠状態に成っているので、起動させてからもう一度調べて何も無ければOKだ。

 

「終わったのか?」

 

「殆ど終わったよ。後は起動させてからもう一度調べるだけだよ」

 

「そうか・・・意外と速かったな。私はもっと時間が掛かるものだと思っていたのだがな・・・・・・・・・・士郎、あそこに置いてあるのは何だ? 」

 

エヴァがある物を指で指して聞いてくる。俺は茶々丸の起動スイッチを押してから言った

 

「あれか? 前にも言ったけど茶々丸の新武装だよ」

 

「何!! しかし、ドリルが付いていないぞ!? 」

 

エヴァが俺の服の袖を引っ張りながら言う

 

「ドリルは完成してるから違う所に置いてあるんだよ」

 

「じゃあアレは何だ? 」

 

「アレはなんて言えばいいのかな〜・・・・・ガントレットみたいな物かな? ドリルを作ったのは良いんだけど、そのまま使うと茶々丸の肘と肩に負荷が係り過ぎてしまうんだよ。だから補助の為の装備を作ってたら色々と思い付いちゃってさ、あんな形になちゃったんだ」

 

俺が説明をしていると、

 

「機動力が落ちてしまうのではないのですか? 衛宮先生」

 

起動した茶々丸に質問された。

 

「それは問題ない、アレにはブースターが付いてるから魔力が有れば今よりも速く動く事も可能だ。俺が言いたいのは装着する時の事なんだ。アレは起動させれば茶々丸の所まで飛んでいく事ができるんだけど、その時に貯蔵している魔力をかなり消費するんだよ。エヴァが本調子なら問題は無いんだけど、封印状態である今の状態ではちょっとな・・・・一応ドリルの柄の方に魔力を溜めている宝石を三つ付けているんだが絶対に一つ消費するからな、少し不安が残る」

 

俺はそう言ってから茶々丸の整備を再開した。エヴァはどうやって作ったのかを聞いて来たがそれは企業秘密と言う事で我慢して貰った。最終チェックも十分程度で終わり。茶々丸とエヴァと世間話をしながら紅茶を飲んで、時々エヴァからこの世界の魔方陣の原理や意味やその在り方に付いてと地底図書からガメてきた魔術書ではよく分からなかった基本的な部分(ガメてきた魔術書はちょっと詳しすぎたので)を教えてもらいながら談笑した。

すると、茶々丸が時計を見て言った。

 

「もうお昼過ぎですか・・・・あの子達にご飯をあげに行かなければ」

 

「あの子達?」

 

「子猫のことだよ」

 

茶々丸は立ち上がるとすまなさそうに

 

「衛宮先生、ミルクをお願いしてもよろしいでしょうか?」

 

と、訪ねてきたので俺は

 

「それ位、難でもないさ。できるまで少し待っててくれ、一緒に行こう」

 

と言い。備え付けのキッチンに向かった。

 

五分ほどして、ホットミルクを魔法瓶に入れ俺は茶々丸とエヴァと一緒に何時もの場所へ向かった。

何時もの場所、時計の見える広場には俺達以外の先客がいた。

 

一人は、ツインテールが似合う女の子

 

一人は、長髪の女の子。猫を触ろうと手を伸ばしたり引っ込めたりとおどおどしている

 

一人は、赤い髪の男の子。二人の女の子の間で猫と戯れながら笑っている

 

俺はその光景が、とても貴いものに見えた。

 

「凛さん、桜さん、士郎くん」

 

茶々丸が言った。成る程、あの三人はこの世界の俺達か・・・もしかしたら、俺が衛宮に成る前、桜が間桐にされる前、凛が魔術師に成る前はこんな光景が在ったのかも知れないな

 

「あっ茶々丸〜」

 

「こんにちは、茶々丸さん」

 

「こんにちは、茶々丸」

 

茶々丸に気づいた三人は笑顔で挨拶した。戯れていた猫達もニャーと鳴く

 

「こんにちは、皆さん」

 

茶々丸は一礼し、来る途中で買ったキャットフードを出し皿に盛りだした。俺は知っているけど、知らない三人に挨拶をした。

「始めまして、こんにちは俺の名前は衛宮士郎。茶々丸の先生だ」

 

三人はジーっと擬音が出るくらい俺の顔を見て

 

「「「偽者?」」」

 

と言った。・・・・・・酷くない? エヴァは隣で笑ってるし

 

「違いますよ」

 

茶々丸、今この場で俺の味方は君だけだよ。茶々丸は続けて「自己紹介をしてください」と子供達に言うと三人は元気に「は〜い」と答えた

 

「私は遠坂凛、五歳です。魔帆良幼稚園に通ってます!!」

 

「私は遠坂桜です・・えと四歳です。」

 

「俺は御剣士郎、五歳です凛と同じ幼稚園に通ってます。将来の夢はサウザントマスターよりも凄い魔法使いに成ること!!」

 

士郎君の言葉に他の二人は「あちゃ〜」という顔をしている。さすが子供な俺、馬鹿正直だ。(泣) それからエヴァ、余り笑わないでやってくれ俺も恥ずかしい

 

「そうか、「千の呪文」より凄くなるのか」

 

俺がそう言うと三人は驚いて俺を見た後、茶々丸を見てもう一回俺を見て「ほっ」と息を吐いた。茶々丸は違う皿にホットミルクを入れ立ち上がり、補足しながら言った

 

「衛宮先生はこちら側の人間ですから大丈夫ですよ。そして先生の隣に居るのが、私のマスターである「エヴァンジェリン・A・K・マクダウェルだ」・・です」

 

三人はエヴァの名前を聞くと一気に十歩ほど後ずさった。

 

「なんでさ?」

 

俺の言葉に凛が大声で言った

 

「なんでさ? ってそれがなんでよ!! エヴァンジェリンって言ったら最強最悪の悪い魔法使いじゃない!!」

 

続けて桜がお腹を隠しながら

 

「おへそを取られちゃいますー!!」

 

士郎が

 

「こ、怖くないぞ!! 二人は俺が護るんだ!!」

 

膝が笑ってるけどな!!

 

三人とも涙目で震えている。茶々丸は弁解しようとおろおろしているし、エヴァは睨みを利かせている。

 

「エヴァ、小さい子にガン付けても情けないだけだぞ。それから三人ともソレは昔の話で、今のエヴァは普通の女の子だぞー」

 

俺がそう言うと三人は「本当?」と言って茶々丸を見て、茶々丸は「本当です」と言い、エヴァが何かを言おうとしたので俺が口を塞ぐ。

その後もイロイロと在ったが、楽しい時間が過ぎた

 

リンゴーン、リンゴーン

 

時計は、午後四時を指していた。俺は三人に「帰らなくていいのかい?」と聴いたが「もうちょっとしたらお父様が迎えに来てくれるから、大丈夫」と答えたので、空に成った皿をビニール袋に入れ茶々丸達と帰ることにした。

三人は「バイバーイ」と元気に挨拶した後、再び猫達とじゃれつく。そんな幸せな光景を数秒見た後、広場が魔力に覆われた

 

「結界!!」

 

エヴァが服から魔法薬の入った試験管を取り出し構える

 

「子供たちは!!」

 

俺が子供たちが居た場所を見ると其処に化け物がいた。

 

最初に動いたのは二匹の子猫、子供たちを護ろうと鎌を持つ化け物に飛び掛った。

 

次に動いたのが茶々丸、子供たち三人を避難させようと地を蹴った。

 

そして化け物、飛び掛って来た二匹の子猫を薙ぎ払い。子供たち三人に向かって鎌を振り下ろそうとして、茶々丸のロケットパンチに顔を打たれ後ろに下がった。

 

「刹那め、しくじったな」

 

エヴァが言った

 

「ソレはありません。朝確認した所、元の大きさに戻った蟷螂の死骸を確認しました」

 

エヴァの言葉に茶々丸が答えたがエヴァは首を横に振り

 

「私たちがもいだ手足は在ったか? 無かっただろう。アレはそれから再生した物だ」

 

「取り合えず、アレはなんだ」

 

俺が質問するとエヴァが答えた

 

「レギオンだよ。劣化品に成っているようだがな。殺すには「魂の浄化」が必要な上に、肉体を殺せば何か取憑くか霊体のまま攻撃してくる厄介な奴だ」

 

魂の浄化か・・・久しぶりに使うか、選択肢も増えてるし今の体の状態でどれ程使えるかを知るのにも良い機会だ。

 

「茶々丸、エヴァ、アイツの動きを二十秒程止められるか?」

 

「誰に言っているんだ士郎、あの程度の輩十分だろうと二十分だろうと止めれる。それよりお前に出来るのか士郎?」

 

「マスターの言う通りです。衛宮先生、この身は貴方によって最高の状態に整備されています。貴方は御自分の腕を信じられませんか?」

 

エヴァと茶々丸が俺そう言った。あぁそうだった

 

「愚問だったな・・・それと見せてやろう魔法だけが奇跡を起こす術ではない事を、だから頼むぞ「(ダーク)()福音(エヴァンジェリン)」」

 

俺がそう言うとエヴァと茶々丸は何も言わずに駆け出した。俺の後ろでは、三人の子供が服を血に染めながら傷ついた子猫に魔法を掛けている。涙を堪えながら、必死に魔法を掛けている。

 

「助かりそうか?」

 

俺の問いに凛が答えた。

 

「助けて見せるの!! 表面は全部繋げたから結界を解いて、お医者さんに見せれば何とかなる・・・・してみせる!!」

 

桜が続く

 

「大丈夫じゃないけど、大丈夫にして見せます。だって姉さんと一緒にやってるんですから!!」

 

最後に士郎が言った

 

「大丈夫、だから兄ちゃんはあの怪物をやっつけてくれよ」

 

不謹慎かも知れないが笑みが零れた。世界は違っても同じ二人に、目を背けずに二人を手伝う少年に、俺しゃがんで士郎の頭に手を乗せて言う

 

「大丈夫だ、君たちで出来なかったら俺達が助けてやる。」

 

三人は俺の顔を見て

 

「「「正義の味方みたい」」」

と言った。

 

俺の言う事は決まっている

 

「正義の味方」を諦めた、新たな夢を追う衛宮士郎の言う言葉は決まっている

 

「「正義の味方」は廃業したんだ」

 

立ち上がり、化け物の方を向きながら続ける

 

「俺はね大悪人なんだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ タカミチが聞いた士郎の寝言

 

「士郎、朝だよ」

 

「や、やめてください琥珀さん、そんな原色をした薬絶対にヤバイですって・・・・あっ・・・嫌・・・やめ・・・・え? 媚薬だから大丈夫? 余計にダメですって・・・いや〜〜〜〜〜!!」

 

「しっ士郎? 」

 

「先生? なんで俺を縛るんですか? へっ逃げるから・・・・ラインを繋ぐだけなら儀式をすれば良いじゃないですか!! 気持ち良い方がいいでしょ? いやでも俺まだ15歳ですよ? エッチなのはいけないと思います!! ちょっ待って!! 優しくするから?  やめて〜〜〜〜〜」

 

「グス」←少し鼻を啜り上を向くタカミチ

 

「アルト? なんでもないよなんでもないんだ 励ましてくれるの? ありがとう・・え 優しくか? それとも激しくか? なにその笑顔!! 何処に連れてく気!! 寝室? お前もか〜〜〜〜〜〜」

 

「(士郎、僕は何も聞かないよ・・・・・・・・後でアルバム借りてみよう)」

 

この時タカミチの目尻が薄く濡れていたのは秘密

 

「助けてプライミッゥゥ〜〜!!」

 

もとい、涙が流れたのは秘密である。