キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーコーン
ん? 今のチャイムは・・・・・・・日の高さからして四時間目の始まりのチャイムか・・・中途半端な時間に起きてしまったな。士郎の国語は五時間目だからまだ眠れるのだが・・・・・・そういえば士郎から弁当を貰っていたんだった。少し早いが食べるとしよう、茶々丸や四葉が作る物よりは劣ると思うが決して食えない物でもないだろう・・・・・もしそうだったら・・・・・・フフフフ
「いただきます」
手を合わせ私はそう言い弁当の蓋を開けた
side 士郎
タカミチに弁当も渡したし三時間目の授業も終わった。四時間目は俺の授業はないので少し早い昼食にするか・・・・・俺はそう思い弁当の蓋を開け食べ始めた。すると後ろから熱い視線を感じたので振り向いてみると
「美味しそうじゃの〜」
いい歳したジジイが涎たらしながら食い入るように人の弁当見ながら話しかけてきた
「何してるんですか学園長」
「美味しそうじゃの〜」
「いやだから」
「美味しそうじゃの〜」
このジジイ
「あげませんよ」
俺は学園長を無視して弁当を食い始めた。(高速で)途中「ああ〜」とか「年寄りを大切にせんのか!!」とか「この悪魔め!!」などと言う声が聞こえたが幻聴か空耳だろう。さてと・・・・・弁当も食い終わったし仕事も五時間目まで仕事もないから屋上で一服でもするか
そう思い俺は職員室を出た
「一口ぐらい分けてくれても・・・・・・・ククク見ておれよ衛宮先生かならず君の手料理を食べるからの―――――!!」
一人職員室で叫んでいる学園長を、職員室に残っている教員達は可哀そうな人を見るように生暖かい目で見守っていた・・・・・・・この学園長で学園は成り立つのだろうか・・・・・
第十三話
カタ 私は空になった弁当の蓋を閉めた・・・・美味しかったコレでもかって言うくらい美味しかった。なんなだあの玉子焼きは!!焦げ目一つなっかったぞ!!しかも冷えてるのに口に含んだ瞬間にフワリとしたし噛んでみれば口に広がる優しい甘さ他のオカズもゴハンも美味かったぞ奴はホントに教師か!!
「さぼりか? エヴァ」
急に声を掛けられたたのでつい声を上げてしまった
「ひゃうぁ!? しっ士郎急に声を掛けるな!!」
Side 士郎
怒られてしまった
「ごめん、ごめんそれでサボリか? 」
エヴァに謝り改めて聞く
「そうだが、別にいいだろ士郎の授業は出ているのだから」
いや、俺の授業に出てくれるのは嬉しいんだけど
「他の授業にも出来るだけ出てくれよ」
俺はそう言いエヴァの隣に腰を下ろし、タバコを出した
「ん、どうしたエヴァ珍しい物を見たような顔して」
「いやお前がタバコを吸うとは知らなかったからなそれよりタバコなんか吸って良いのか? この不良教師」
そう言いながらエヴァは俺の服の匂いを嗅いで不思議そうな顔をして聞いてきた
「タバコの匂いがしないな。もしかしてタバコを吸うのは初めてなのか? 」
「始めてじゃないし服からタバコの匂いがしないのはコレが俺のオリジナルだからだよ」
懐かしいな橙子さんに人形作りや装飾品作りそれにルーン魔術について教えて貰いながら二人協力してこのタバコを作ってた頃が・・・・・皆元気にしているだろうか特に志貴また琥珀さんの地下帝国に捕まってなければいいけど
‘たすけて士郎!!’
一瞬幻聴が聞こえた様な気がした
「オリジナル? 士郎お前は調合とかが得意なのか? 」
俺はタバコに火を付け一口吸ってから言う
「まあな俺は魔法が使え無いからな〜(この世界の魔法ではだけど)だから他の事を沢山覚えたんだよ、他にも細工とかもできるぞ」
「ほう、士郎今度でいいから私の家に来ないか? 私はよく魔法薬などを作るから教えてやるぞ、それにしてもそのタバコ良い匂いがするな」
エヴァが言う・・・・この世界の魔法薬か興味あるな
「それじゃあ今度行くよ。話は変わるけど授業は出たほうがいいぞ、出ないと友達できないしな」
俺が言うとエヴァはそっぽを向いて
「友達などいらん私は今まで一人で生きてきたんだ、茶々丸もいるしな。今更群れようなどとは思わん」
エヴァはそう言ってから俺の方を向いた、エヴァの目を見てしまったと思った。エヴァの目は今エヴァが言った事とは反対の事を言っていたから、それから俺がタバコを吸い終わるまで気まずい沈黙が続いた
「なあエヴァ俺さ実は孤児なんだよ、だから血の繋がった家族はいなかった・・・・でもさ俺は寂しくなっかったんだ血は繋がって無くても家族がいたから、帰って来たら「おかえり」って言ってくれる人がいたからだから、だからもし良かったらでいいんだけど俺と家族にならないか? 」
「なっ何を言ってるんだお前は」
エヴァが顔を赤くしているが気にせずに俺は続けて言う
「いやさ俺こっちに来てから一人暮らしだから人肌恋しいな〜なんて思っちゃってな」
「なっなんだそういうことか」
エヴァがホッとしたようにして言う
「却下だ、言っただろう今更群れる気は無い。それに私は真祖の吸血鬼、お前は人間だ住む世界が違う」
「そっか・・・・・・でも俺はエヴァのことを家族と思って付き合うぞ、それくらいいいだろう」
俺がそう言うとエヴァは僅かに普通なら気づかないくらい僅かに表情を緩め
「まあそれくらいなら許してやる」
と言った。今はこれぐらいで良い、これから少しずつ近づいていけばいいんだから・・・・・少し眠くなって来たな
「エヴァ俺少し寝るから、五時間目が始まる前に起こしてくれ」
そう言って俺は横になって目を閉じた
side エヴァ
士郎が私に少し寝ると言って横に数分たった少し寝苦しそうにしているがどうでも良い事だろう、私からすれば士郎の寝顔を一人締めしている今この時が嬉しい。しかし、眉間に皺が寄り過ぎだろコレは? 私はそう思い士郎の頭を自分の膝の上に乗せた。全く私は何をしているのだろうか、これでは恋する乙女みたいではないか・・・・・・本当にコイツと居ると調子が狂う。それから少しして士郎の顔が気持ち良さそうな顔に変わった・・・・・・士郎の寝顔を見ているとさっき士郎が言った事が頭に流れてきた
「なあ士郎、お前の言った事がどれだけ嬉しかったか解かるか?」
私は士郎の頭を撫でながら言う
「お前が家族になろうと言った時、頷きそうになったのを必死に我慢したんだぞ? 」
熱い物が込み上げてくる
「私は化け物で人殺しだ。そんな私が今更家族など得られると思うか? なあ・・・・・士郎、お前はなんでもっと速く生まれてくれなかったんだ? 私は、私が真祖になってしっまった頃に出会いたっかったぞ・・・・なあ士郎教えてくれ。なんで今なんだ、なんでお前は私に優しくしてくれるんだ? 士郎・・・・・・・・」
涙が流れた。私はお前が・・・士郎が欲しい。でも私が欲しいのは士郎だ、私の言い成りになる人形じゃないそう思うと自分の厚かましさに腹が立った。でも少しだけ本当に少しだけでいい。この幸せが永遠に続けばいいと思っても許されるだろうか
「マスター」
士郎が寝てからどれくらい経ったかは解からないが茶々丸に声を掛けられ私は茶々丸の方を向いた
「茶々丸、五時間目まで後何分ある」
「後二十分ありますが」
「そうか・・・・・十分たったら教えてくれ」
「解かりました」
後十分だけこの感触を味わっていたい・・・・・それぐらいなら許されるだろう。そう思いながらもう一度士郎の頭を撫でた