私は面倒な仕事を早く終わらせるため茶々丸と一緒に見回りをしていたのだが、偶然にも出会ってしまった神楽坂明日菜にいきなり叫ばれた。まあ、正体を知られているのでしかたないが・・・・・・・とりあえずこいつをイジって少し遊ぶことにしよう。私の顔を足蹴にしてくれた借りをまだ返してないしな・・・神楽坂明日菜、私を笑わしてくれよ

「ん? 知らんぞ」

まずは素直に答えて警戒を取ることにしよう

「え・・・・・」

神楽坂はマヌケな顔をしてそう言った。フフフ、次はこちらの予定を教えてやる・・・頭の良い者なら心理作戦かもしれないと思い自滅してくれるのだが、バカレッドなどと呼ばれている神楽坂には効果はないだろう。国語の授業で小学生レベルの漢字を間違う程だからな、しかし衛宮教員の授業は丁寧で分かり易いのに何故ああも間違えるのだろうか、神楽坂以外のバカレンジャーは国語の成績だけ
は少しずつだが上昇しているとタカミチが衛宮教員を褒めていたのに・・・・・謎だ

「安心しろ神楽坂明日菜、少なくとも次の満月までは坊やを襲ったりすることはない。今の私は満月を過ぎると魔力がガタ落ちになるし血を吸うための牙もない、空を飛ぶ事もできないただの人間になってしまうのだからな」

そう言い私は歯を見せる。神楽坂をイジる準備はできた奴のことだ顔を真っ赤に染め慌てるに違いない、私はそう思い言葉を出そうとしたが

「神楽坂、大声だしてどうしたんだ? 喧嘩か?」

と言ってやって来た衛宮教員によって邪魔された。



第十一話 

「こんにちは衛宮先生」

最初に声を上げたのは茶々丸だった

「ん、茶々丸にエヴァンジェリンさんか、こんにちはそれにしても珍しい組み合わせだな」

まあ、そう言われてもしかたがないだろう。私はほとんど茶々丸か私が認めた奴としか一緒にいないそれ以外は殆ど一人で居るしな

「それで神楽坂は何を叫んでいたんだ」

衛宮教員は神楽坂に視線を移し聞く

「いや、それは、あの、ネギが突然いなくなちゃったから聞いてたのよ」

神楽坂にしてはいい言い訳をしている

「だからって大声を「キャ―――――ッ」なんだ?」

「あっ私一寸みてくるから・・・・・さいなら―――――」

と神楽坂は引きつった笑顔で走り去った。ふう私も仕事に戻るか私は衛宮教員に背を向け歩こうとしたが

「そうそうエヴァンジェリンさん、あまりあの二人をいじめないでくれよ」

衛宮教員の言葉でこの場から離れることが出来なくなった。

「それはどうゆうことかな? 衛宮教員」

「どうゆうことも何も言ったままの意味なのだがね「
闇の福音(ダーク・エヴァンジェリン)」」

衛宮教員は表情を変えないまま言った。今の状態は非常に不味い、持っている手札の数が少なすぎる。この状況を打破するために思考の海に入ろうとした私を現実に繋ぎ留めたのは、やはり茶々丸だった。

「衛宮先生あまりマスターをからかわないでください。」

苦笑しながら衛宮教員が言う

「あまり怒らないでくれ茶々丸」

「どうゆうことだ茶々丸」

私は茶々丸に聞く

「マスター、衛宮先生は超さんとハカセ、特に超さんと親しくその関係でハカセとも親しくなり少し前から私のメンテナンスの手伝いでマスターの事も多少知っています。」

茶々丸がどこか嬉しそうに言っているような気がするのだが今は関係ない

「そういう事だ。ちなみに茶々丸の新武装開発の責任者もやってるぞ」

「新武装?」

衛宮教員に聞くのもなんだか悔しいので茶々丸に聞く

「はい、新武装・ドリルです」

ドリル・・・・・・・なぜ?

「おい、衛宮教員ドリルとゆうのはアレか? 三角錐の回るヤツか?」

私は衛宮教員に聞くいや衛宮教員に聞くしかない

「そのドリルだ」

衛宮教員は凄いだろうと自慢げに言う

「お前は何を考えているんだ!! そんな物より槍とか剣とか近代的に銃とかを作れ!!なんで新武装にドリルなんて馬鹿げた物を作るんだ!!」

私が衛宮教員の頭をシェイクしながら言うと、茶々丸が止めに入った

「マスターやめてください、このままでは衛宮先生が旅立ってしまいます。それにドリルを馬鹿にしないでください」

衛宮教員がどこに旅立とうと知った事ではないが、茶々丸が私を止めたので衛宮教員が復活してしまった。チィ、このまま有耶無耶にして此処を離れるつもりだったのに

「そうだドリルを馬鹿にしてはいけない、剣や槍も捨てがたいが普通の剣や槍に岩盤を貫くことができるか? できないだろ? しかしドリルは違う!! どんなに硬い岩盤も貫くことができる!! まさにドリルこそロボにとって最強の武器なのだ!!」

「同感です」

なぜだろうか衛宮教員の説明を聞いているとドリルがとても素晴らしい物に思えてくる・・・・・茶々丸も同意してるし、もしかしてドリルを使えない物だと思っていた私は可笑しいのか!!

「マスター、マスターが今思っていることは間違いであり正解でもあります。私も最初はドリルを侮っていましたが衛宮先生と超さんの説明でドリルの素晴らしさを知りました。しかも私の新武装であるドリルはマスターの魔力を付与することにより、強固な魔法障壁も貫くことが可能になるそうです。それに衛宮先生はドリルの素晴らしさを知らなかった私に「普通はドリルの素晴らしさはしらない
ドリルの素晴らしさは真に賢き者にしか理解できないのだから」と言ってくれました。私はドリルの素晴らしさを教えてくれた衛宮先生と超さんを尊敬ています。」

茶々丸は誇らしげに言った

「すまない衛宮教員」

私は衛宮教員に素直に謝罪した。ドリルがこんなにも素晴らしい物だとは思っても見なかった、すると衛宮教員は笑顔で私の頭に手を乗せ撫でながら言った。

「分かってくれれば良いんだよエヴァンジェリンさん、それよりも何か用事があったんだろ? 俺もこの後用事があるからもう行くよ。ごめんな、からかったりしてそれじゃ明日の授業で会おうなエヴァンジェ「エヴァでいい」さ、うんじゃあ俺の事も士郎でいいよ。新武装第二段はエヴァの協力が必要だからちょくちょく会うことになるしね」

そう言うと衛宮教員は撫でるのをやめ歩いていった。んっ第二段? まあいい私は茶々丸に声をかけ見回りを再開した。少し歩いてから私は茶々丸に言った

「茶々丸予定に追加することがある」

「何でしょうか、マスター」

「衛宮士郎を私の物にする」

「・・・・分かりました」

士郎に頭を撫でられた時不覚にもに暖かいと思ってしまった、居心地が良いと思ってしまったならば自分の物にしてしまえばいい。誰にも奪われないように奴の様に私を置いていかないように・・・・・・・・・・









Side 士郎

ふう、またドリルについて熱く語ってしまったそう思いながら俺はネギ達の部屋の前まで来た、話声が聞こえるのでネギはちゃんと見つかったみたいだなしかしネギとは違う魔力を感じる。まあいい、入ってみれば分かることだ

ピンポーン

「はーいどちらさまですかー」

「衛宮だが入れてくれないか」

「あっ今開けます」

「シロウさんどうしたんですか?」

「いや、ネギの様子が変だったからななにか悩み事でもあるのかと思ってそれとこのかに話さないといけない事が出来てな」

俺はネギに理由を話し部屋に上がったすると部屋には神楽坂とイタチ? みたいなのがいた

「兄貴お客さんですかい」

なんとイタチ? みたいなのがネギの方を向いて喋った!!

「あっ、ちがうのよえみやんこれは・・・そう腹話術なのよ!!」

神楽坂が慌てて俺に言うが絶対に嘘だろう。するとネギが

「大丈夫ですよアスナさん、シロウさんも僕と同じ魔法使いですから」

と言った神楽坂は一瞬ポカンとした顔になり

「え・・・・マジ」

「マジだ(ちょっと違うけど)」

「あーなんだか私から日常が離れて行く様な気がする」

「えっと、俺っちが話してもいいですかい」

話を変えたのはイタチ? だった。

「始めやして俺っちは、アルベール・カモミール。ネギの兄貴の舎弟やってる者ですフレンドリーにカモと呼んでくだせー、ちなみオコジョっす」

むぅイタチではなくてオコジョに自己紹介をされるとは俺の人生もまだまだ侮れないな

「俺は衛宮士郎だ。ネギの兄貴? みたいなことをしているよろしくなカモ」

「じゃあ衛宮の旦那でやんすね」

いや旦那って、カモは極道の出身なのか?

「それでネギ」

「なんですか?」

ネギは笑顔で俺を見てくる

「何か悩み事があるんじゃないのか?」

「えっそれは・・・・・」

一瞬ネギの表情が歪むが直ぐに笑顔に戻った

「何にもないですよ」

ネギはそう言うが・・・・・まあいいか無理に聞いても悪いしな

「そうか、ならいいんだが一人で抱えようとするなよ」

俺はネギにそう言う。俺が言えた義理じゃないけどさ

「うん、ありがとうシロウさん。ところでカモ君、恩を返しに来たって言ってたけど」

ネギはカモに聞く

「ああ、そうでやした俺っちはネギの兄貴のパートナー探しを手伝いに来たんすよ」

パートナー?

「えっ本当カモ君!!」

「そうっす。さっきも風呂場で観察してたんですがいい素材が沢山いたっす、いけますぜ3−A!!」

ガチャ

「何や何やさっきから騒がしいけど誰かきとるんかー・・・・えっえみやん!! ごごゴメンな直ぐに着替えてくるからー」

と、このかは俺を見た後直ぐに風呂場に戻っていった。そして少ししてこのかが戻って来た

「あ〜ゴメンな、えみやんちょっと待たせてしまってそれで誰かに用事なん?」

「いや別にいいよ。俺もこのかに話すことがあるから」

そして俺はこのかに向けて土下座して謝った

「ゴメンこのか、学園長の策略に嵌ってこのかを俺の婚約者にしてしまった」

「「えええ〜〜〜〜〜〜〜」」

するとネギとアスナが驚きこのかは

「別にええよ〜」

とショックを受け・・・・・へ?

「いっ、いや、このかそこはショックを受けるとか怒るとかするのが普通の反応だと思うのですが?」

「なんで怒らなあかんの、えみやんはおじーちゃんに嵌められたんやろ? ならえみやんを怒る理由なんてないやん」

と、このかは当たり前の様に言った

「それにウチ、えみやんとなら・・その・・・・
婚約者になってもええし

途中から声が小さくなって聞き取れなかったがこのかは俺を怒ってないらしい、しかし顔が赤いのは怒っているからではないのか?

「それともえみやんはウチと一緒になるんは嫌なん」

と、潤んだ瞳+見上げるような視線+ちょっと湿った綺麗な黒髪=萌えのコンボで言われた。んっ、萌え? 電波か?

「いやそんなことはない」

「ならいいやん」

このかは笑顔で「この話はもう終わり〜」と言い。視線がテーブルの上にいるカモに釘付けのなったので、俺達がカモのことを説明しようとした瞬間

「あ〜〜〜なんなんこれ〜可愛え〜〜っ!! ネギ君のペットなん!! うひゃ〜〜〜!? みんなコレ見て〜!!」

と大喜びで部屋を飛び出した。このかの突然な行動に驚いてしまってうごけなかったがネギ達が直ぐに追いかけていったので、俺もなんとか追う事が出来た廊下に出てみると3−Aの生徒たちがカモに群がっていた

「あっあの・・・・・・僕コレ飼ってもいいですか?」

ネギが不安そうに聞くと「いーよー」「この寮ペットOKだし」と声があがった

「ウチ許可取ってきたげるなー」

とこのかが走り出そうとしたので

「了承」

と言ったらなぜか全員の動きがピタッと止まった・・・・・あっそうだった俺が寮長になったのを教えてなかったらか、すると神楽坂が

「なんでえみやんが許可するのよ?」

「言ってなかったから知らないだろうけど少し前に俺が寮長になった」

するとこのかがもしかしてっと、言う表情で

「もしかしておじーちゃんに・・・・・・・」

「言わないでくれ」

そう「学園長がこのかの護衛をするのに都合がいい」と言って急遽寮長にされたのだ、ちなみに前の寮長は用務員さんとして働いている

「あ ありがとうございます!!シロウさん・・・・あの・・その・・もうすぐ夜ですしもしよかったらその今日は僕と一緒に寝てくれませんか?」

・・・・・・・・・・・・はっ!!

「だめだネギ!! いや、一緒に寝るのはいいけどその発言は此処ではアウトだ!!」

案の定周りの生徒たちは「まさかネギ先生と衛宮先生って」「そんな禁断も禁断の関係!!」「そんなネギ君」「ちょっと見てみたいかも」などと誤解しまくりの発言をされた

「えみやん、ウチよりネギ君の方がええの?」

このかさん勘弁してください。この爆弾発言の所為で周りの誤解を解くのに一時間も使った、ちなみにこのかとの婚約関係になったということはなんとか誤魔化す事ができた。その夜俺はタカミチに電話で夜の見回り昼の弁当を作るとゆう条件で代わって貰った。寝る前に「お兄ちゃ〜ん」とネギに抱きつかれたのが一番の印象だった。




おまけ 此処では無い何所か遠い世界

其処は普通なら誰も足を踏み入れ様とはしないビルだった。しかし、普通でない人間は其処に普通ではない仕事を依頼に来るビル。そしてその普通でないビルに在る「伽藍の洞」に勤めるメガネを掛けた青年の一言から始まった。

「そう言えば士郎君は元気にしてるかな〜」

青年の言葉に着物を着た女性が答えた

「今更、士郎の心配をしても無駄だと思うぞ幹也」

「いや、士郎君が強いのは知ってるよ。でも心配じゃないか彼は僕よりもこっち側の世界に居るけれど僕達よりも年下で、脆い部分も有るし何より僕にとって士郎君は頼れる弟みたいな子なんだよ? 心配になるの当たり前の事だと思うよ。式」

「俺は心配などしないぞ幹也、大体士郎の事を管理するのは橙子の仕事だ」

幹也は式の言葉に苦笑しながら言う

「それは式が士郎君の事を僕より知っているからだと思うよ? そう言えば朝から橙子さんの姿が見えないけど・・・・如何したんだろう?」

「町に行った」

式は簡潔に言った。幹也は驚いた様に

「町って、ドイツの? たしか凄い吸血鬼の領地に有る士郎君が創った」

「そうだ、士郎の造った物を持って行ったから其処しかないだろう。この間古めかしい赤い布を使って何か造ってたから、士郎の所に持って行ったんだろう・・・それよりも幹也、お前また給料貰い損ねただろう」

「そうなんだよね・・・・士郎君が居た時は彼が財布の紐を握ってたから無駄使いも殆ど無かったのに」

そう言い幹也は書類に目をとうして「また赤字かぁ」と溜め息を付き、思い出したように言った。

「そう言えば士郎君は橙子さんに何を渡してるんだろう?」

「橙子は等価交換としては大き過ぎる物を貰ったって言ってたぞ・・・まあ橙子も人の子だったて事じゃ無いのか? それよりも腹が減った、何か作れ」

幹也は「大き過ぎる物って何だろう?」と思いながらも席を立ち台所に向かった。この時、幹也自分が土下座しても後悔する様な事が起こるとは思いもよらなかったし、式も両義家の執事や女中達を使う事になるとは思いもよらなかった。



ドイツ・アルトルージュ領内

「ほら、あいつが家に置いて言った物だ。残りの物は実家の工房に有るだろう、工房の場所は・・・分かるだろ?」

「ええ、後は私自身で出来ますそれよりも今日は如何しますか? ホテルをまだ訪ってないのなら教会の一室を空けますが? ミス・橙子」

「そうして貰おうシスター・カレン、それにしてもこの町は何時来ても以上だと思うよ」

青崎橙子は笑いながら言った

「それは当たり前の事だと思いますが・・・たしかに以上な町です。協会の元キュレイターに埋葬機関の元代行者に
獣人(ライアカン・スロープ)に封印指定とその候補者・・・まさに奇人変人の町です」

カレンは微妙な顔をして言ったが橙子が付け足すように

「他にも「ガイアの獣」「黒姫」「黒騎士」「白騎士」や埋葬機関の「王冠」や魔術協会が探しても見つけられない「万華鏡」も来るだろ? 後、糞忌々しい「ミス・ブルー」」

最後の方だけ物凄い殺気を放ちながら言ったがカレンは気にせずに

「「王冠」は違います。毎回毎回此処に住ませてくれと煩いだけですから」

と言った

「それでは部屋に案内しますので付いて来てください。それと食事のリクエストは有りますか?」

橙子は少し考えてから言った

「特にはないが・・・すっぱい物が食べたい」

カレンは驚いた顔をして

「奇遇ですね、私も最近酸っぱい物が好物に成ったので酢の物でも作りましょう。それと士郎の造った義手を着けている方が意識不明なので良ければ見てください」

「それで君は私に何を払ってくれる」

カレンは笑顔で

「一晩の宿と食事です」

と言った。


世界は廻り続ける度の様な事が起こっても、それが当事者の知らない事でも・・・


あとがき

え〜・・・・・いろいろと遅れてすみません それと場違い? かもしれませんが…ドリルは漢の浪漫だと思います!!