赤い魔術師と魔法使い 第8話
一学期 始業式
「フォフォフォフォ、一年生は二年生に、二年生は三年生にと新しくなるわけじゃが終了式に言ったとおり新年度といってももう四月じゃが、正式に本校の英語科教員となったネギ・スプリングフィールド先生じゃ。ネギ先生は3−Aの担任をやってもらう・・・・・」
「(やっぱりネギはナギの親戚だったのか・・・・それにしても似てるな弟か?)」
「それと新しく国語科教員になる先生を紹介する。衛宮士郎先生じゃ、彼には3−Aの副担任もやってもらう」
「「「「「「「「えぇぇぇ―――――――――――!!!」」」」」」」」
(あっ!! 生徒達の記憶を壊朽するの忘れ取った・・・・・・まあいいか、その方が面白そうじゃし)
この判断が自分の未来を暗くするのを近衛近右衛門は知らない・・・・自業自得だが
「この度、麻帆良学園の教師になりました衛宮士郎です。今後ともよろしくお願いします。」
驚くのは当たり前だろう。
俺だって嵌められて先生になったんだから、ネギは嬉しそうだし・・・・はぁ
「なあ、ネギ」
俺は教室に向かう途中ネギに聞く
「なんですか?」
「君のし「おめでとうネギ君」に」
「タカミチ!!」
俺の声は途中で話しかけてきた高畑先生の声で聞こえなかったらしい・・・タカミチ?
まさか、あれから五年しか経ってないしな・・・イヤ・・・一応念のため聞いてみるか
「それに、衛宮先生もおめでとう」
「失礼ですが高畑先生のフルネームは高畑・T・タカミチですか?」
「おや、よく知ってるね。確かにそうですが。なにか?」
「あ、いや同じ名前の友達がいるものでちょっと驚いただけです」
「偶然だね。僕にも君と同じ名前の知り合いがいるんだよ、もう二十年も会ってないけどね」
嫌な予感がする・・・・確認のために詳しく聞いておこう
「どんな人だったんですか?」
「彼はね、ナギさん・・ネギ君のお父さんが連れてきた人でね、剣の腕では僕たちの中で一番で料理が旨い人だったんだよ。」
「お父さんの仲間・・・・その話もっと教えてください」
ネギが興味津々に聞いている・・それたぶん俺? そういえば師匠が帰ってきたとき「向こうでは四ヶ月経っとったがこちらでは一ヶ月しか経っとらんからな」って言ってたな・・・ん? むこうで四ヶ月こっちで一ヶ月? えっと12×4で48 俺の世界の一年がこの世界での四年? で俺は五年たってこっちに来たから5×4=20だからタカミチがダンディーなおじさんになっていても不思議ではないし、ナギに子供がいてもおかしくない、とゆうことは・・・・・・・・
「話してあげたいけど学園長先生に衛宮君を連れてくるよう言われてるから、今度教えてあげるよ」
「絶対だよタカミチ、それじゃあシロウさん用事が終わりしだい教室に来てくださいねー」
ネギは走って教室に向かっていった
「どうしたんだいボーっとして」
「学園長室で話します」
そう言ってタカミチと俺は学園長室に歩いていった・・・・・・遠坂のうっかりが移ったのかもしれない
学園長室
「来たかね衛宮君、実は君に頼みたい事があっての」
「ちょっと待ってもらっていいでしょうか」
「良いが、何かあるのかね?」
「ええ少し・・・高畑先生これに見覚えはありませんか?」
俺は夫婦剣をタカミチに見せる
「そっそれはシロウの・・・・もしかして」
「そういうこと・・・・久しぶりタカミチ」
俺は笑顔で言う
「え、でも全然あのころから成長してない」
「ちょっといろいろあってね、今は十四歳の時の姿にしてるんだよ。それに俺の世界では五年しかたってないんだ。それにしても老けたねタカミチ」
「え、衛宮君どういう事かね? よく分からないんじゃが」
「俺とタカミチは知り合いってことですよ・・・それで頼みたい事とは」
「ん、ああ頼みたい事とはエヴァンジェリンのことじゃ」
「人外の子ですか」
「そうじゃ、エヴァンジェリンはサウザンドマスター・・ナギが十五年前に連れてきた真祖の吸血鬼なんじゃよ。ナギがある呪いをかけて力を封じてこの学園からでられないようにしたんじゃが、どうもネギ君を狙っておるようなんじゃよ」
「つまりネギの護衛もしくはエヴァンジェリンの処理をしろ、という事ですか? (真祖!? イヤ待てよ、ナギが連れて来たということは人でも何とかできるということか?)」
「い、いやそうじゃなくての、ネギ君が襲われてもぎりぎりまで助けないでくれないかの。ネギ君の成長にも関わるし、処理の方は勘弁してくれんか?」
「分かりました。しかし、危険と判断したら少し痛い目にあってもらいますよ? それでいいですか? それで良いなら俺はこれで(学園長の反応からして人でも殺せる。または、封じる事が出来るということか)」
俺は学園長との会話を切り上げ、タカミチと学園長室から出た。歩いている途中タカミチが
「シロウ、エヴァのことは大目に見てやってくれないか? あいつはナギさんを追いかけたいだけなんだと思うからさ」
「分かってるよ。あの目を見ればイヤでも分かる」
そうあの目を見れば、あれは出会ったばかりの桜の目と同じだ
温もりを知っていても今在る所には無く
絆を持っていてもそれ持つ人は届かない所におり
辛いのに悲しいのにそれを言えない
そういう目だった・・・・・
「それなら良いんだよ・・・・それなら」
「シロウさーん」
「ネギが呼んでるからもう行くわ、今度一緒に飲みに行こうな〜」
俺はタカミチにそう言いネギの所まで走っていった
「どうしたんだネギ、そんなに慌てて」
ネギは何かあったのか心配そうな焦ってるような表情で
「まき絵さんが倒れたそうなんです!!」
「佐々木さんが!?」
保健室
「で、一体なんで倒れたんですか?」
俺はしずな先生に聞く
「それが桜通りで寝てる所を見つかったらしいのよ・・・・」
俺は佐々木さんを見る・・・・これは
「(シロウさん)」
ネギが小声で話しかけてくる
「(ネギ、気づいたか)」
「(はい少しですが魔力を感じます)」
「でっ、どうなのよネギ」
「大丈夫ですよ。まき絵さんは軽い貧血みたいです。それとこのかさん、僕今日は帰るの遅くなりそうなのでご飯いりませんから」
そう言ってネギは保健室を出て行った。他の生徒達もネギに続いて出て行ったので、俺も保健室を出たが俺が来るのを待っていたのか桜咲がいた
「衛宮先生、今日の夜私が指定する場所まで一人で来てください。場所は後で教えます」
と言ってきた
「士郎殿すまんでござる。刹那殿に士郎殿は敵ではないと言ったのでござるが」
「良いさ、それよりもありがとな長瀬」
俺は長瀬に笑顔で礼を言い教室に向かった
夜
俺は桜咲が指定してきた場所に向かった。驚いたことに桜咲はすでに俺を待っていた
「あなたが敵ではないことは長瀬から聞いている。しかし、それはあなたの敵にならなければの話だ。確実な味方ではない者を信用することは出来ない・・・だから」
「「ここで闘う」って言うんだろ? 俺は生徒に危害を加える気はないんだが」
「それは普段の彼方をみていれば分かりますが、それよりも私は闘わなければ信じられない、それにどんな者でも闘ってみればどういう人物か分かりますから」
「神鳴流 桜咲刹那」
刹那が言う
「衛宮士郎」
士郎が言う
「いざ」
刹那が野太刀を構える
「尋常に」
士郎が夫婦剣を投影し構える
「「勝負!!」」
二人が同時に駆け出した