赤い魔術師と魔法使い 第5話
「留年しないため!!」
「ランドセルを背負わないため!!」
「集団登校しないため!!」
「クラス解散防ぐため!!」
「魔法の本を見つけ出す!!」
「バカレッド!!」
「バカピンク!!」
「バカブルー!!」
「バカイエロー!!」
「バカブラック!!」
「「「「「五人そっろってバカレンジャー!!」」」」」
「って 何言わせんのよ――――!!」
アスナが咆える
「いやーでもかっこ良かったえ? アスナ達」
「ええ、なんだかやり遂げた爽快感があるです」
夕映が「いい汗かいた〜」というような顔で言う
とにかく俺は、何故呼ばれたのかが解らないので。二度寝しそうになっているネギを起こして聞く事にした。ネギはまだ眠いのか目を擦りながら教えてくれた。なんでも危険だから男の人がいた方がいいらしい・・・危険って、なんで図書館に危険があるんだ?
図書館島それは明治の中頃学園創立とともに建設された、世界でも最大規模の巨大図書館であり二度の大戦中 戦火を避けるため世界各地から様々な貴重書が集められ、蔵書の増加に伴い地下に向かって増改築が繰り返され現在ではその全貌を知る者はいなく、さらに貴重書狙いの盗掘者を避けるため数々の危険な罠が仕掛けられている。危険極まる場所である。
危険、確かに危険だった。本棚の上を歩いていたら急に本棚と本棚を繋ぐ橋のような物が割れたり、(佐々木さんが落ちそうになったが、新体操のリボンで乗り越えた)本に触ったら矢が飛んでくるし、(ネギが当たりそうになったが、長瀬が助けてくれた)無茶苦茶高い本棚を縄を使って降りたり、(一人クリフハンガーしそうになった)デカイ湖? を渉ったり(ネギが風邪をひくといけないので、俺が背負った)狭い通路を匍匐前進で進んだりして、(綾瀬さんの表情の変化が俺にも分かった)今俺達は、二体の石像が立っている部屋にます。
「す すすすごすぎるーっ!?」
神楽坂が「こんなのアリー」と叫んでいるが普通はないと思うぞ、俺は
「ラスボスの間アル〜」
クーさん、そんなこと言っている場合じゃないと思いますよ?
「魔法の本の安置室です―――とうとう辿り着きましたね」
「綾瀬さん、じーんとするのはいいけど、早く本取って帰りませんか?」
「それもそうですね、みなさんあれが魔法の本です!!」
「なっ!!」
「「あっ!?あれは!?」」
ネギと俺が声をあげる。
「ちょっ・・どうしたのよ二人とも」
あれだけの罠が仕掛けてあったから、それなりにすごい本だと予想をしていたが・・・・・・目的の本は俺の予想を遥かに上回るものだった。俺には解かる、あの本にどのようなことが記されているかは解らないが、籠められている魔力の桁がちがう!! 昔、アルトの城にある倉庫で見つけた、名前は知らないが年代物の魔道書の写本。確実にそれ以上の力が在るのが解かる
「あれは伝説のメルキセデクの書ですよ!! 信じられない!! 」
ネギが「なんでこんな極東の島国に!?」とか言っているから、内容もすごい代物なのだろう。しかし、何で伝説の魔道書が日本に在るんだ? 今度、学園長に聞いてみよう。
「てことは本物・・・・・?」
神楽坂がネギに聞く
「ホ、ホンモノもあれは最高の魔法書ですよ!たしかにあれならちょっと頭を良くするぐらいカンタンかも・・・」
ネギが興奮しながら言う
「え――――」
佐々木さんが「ホント!?」と言わんばかりに喜んでいる。たしかにうれしいかもな、これでバカピンクと呼ばれなくなるかもしれないから
「ネギ君 詳しいな〜でも・・・なんで衛宮君も驚いたん?」
「いや、石造の目が光ったような気がしただけですよ?」
近衛さんが質問してきたので俺は、あらかじめ考えていた言い訳を言ってごまかした
「そうなんや、でもそれはたぶん気のせいやと思うで〜」
「そ、そうですよね〜」
「もう、そんなこと言ってないであの本取って最下位脱出よ〜」
神楽坂が嬉しそうに走り出したのを切っ掛けに、長瀬、クーさん、佐々木さん、綾瀬さんが「一番ノリある〜」 「あ―――あたしもー」などと言いながら飛び出していった
「気をつけて!!」
「あんな貴重な魔法書、絶対ワナがあるに決まってます」
ネギと近衛さんが注意するも虚しく バガン!!と道が割れ下にある床に落ちた
「いたた・・・え・・何コレ」
「ツイスターゲーム?」
佐々木さんが言ったように床にはツイスターゲームに使う、マットのように文字が書かれていた。すると突然石像が動き出した
「フォフォフォフォフォ・・・・・・」
ちょっとマテ・・・この声絶対に学園長だろ? 仕事サボってるのか?
「この本が欲しくば・・・・わしの質問に答えるのじゃ―――フォフォフォフォ」
「ななな 石像が動いたー!?」
神楽坂は「うそ!!」というような感じに驚き
「いやーん」
と佐々木さんはハン泣きだ・・やり過ぎだろう学園長
他の人達は「おおおお!?」と普通に驚いていた。泣かれるのよりはマシだ、がもうちょっと危機感みたいなのもとうよ・・・・
「こ、これは・・(動く石像<ゴーレム>それに今の声どこかで聞いたよーな・・!?)」
ネギはゴーレムに驚きながらも杖を構えている。佐々木さんはガクガクブルブルしている。可哀そうに
「では第一もっ・・・ジ・ジガァ・・・ガ・・ガ・・・・・・死ね」
ゴーレムの雰囲気と声が変わり、持っていたハンマーを振り下ろしてきた。まずい!! 俺は声を大きくして
「全員後ろに跳べ!!」
いち早く危険を察知したのか 長瀬が佐々木さんを クーさんが綾瀬さんを 神楽坂がネギを 抱え俺の指示に従って跳んだ。このかさんは、俺が抱えて跳んだ ゴーレムのハンマーが床を砕き、俺達は暗い穴の中に落ちた。
同時刻 学園長室
しまった、今ワシが操っていたゴーレムが何者かに乗っ取られた。侵入者の殆どはエヴァンジェリンが排除してきたので油断しとった。しかし、油断しとったとはいえ中々厄介な相手が来たもんじゃのう。このか達には衛宮君が着いているから心配はないと思うが・・・・・・
「衛宮君にばかりに苦労は掛けられんからな」
と近衛翁は言葉を吐き出し外に出ようとしたが・・
「学園長先生、出かけるのはよろしいのですけれど。サボっていた仕事が全部終わってからにしてくださいね」
しずな先生に怒られた
「いや・・・じゃがの〜〜」
「学園長先生(にこり)」
近衛翁は食い下がったが、しずな先生の笑顔によって撃沈された。もしこの時士郎がいたら
「デ、デヴィルスマイル(赤い悪魔の殺す笑顔)」
と言って卒倒しただろう・・・・・源 しずな ○?歳 笑顔の怖い女性である。
「(衛宮君、ワシ・・行けんかも)」
と仕事をサボり孫の見合い相手選んでいた事を後悔する近衛翁だった。