赤い魔術師と魔法使い 第4話

 

士郎がこの世界に現れてから一週間はど経ったある日、学生としては避けて通れない授業が来た。その名は「家庭科」士郎にとって、料理、裁縫、掃除、洗濯、は簡単な物だが(女性としてのプライドを、粉々に打ち砕くほどに・・・・)

士郎の幾多の修羅場を乗り越えてきた直感がサイレンを鳴らしている。(イクナ、イッテハイケナイニゲロニゲロニゲロニゲロ〜〜〜〜)

 

「何故だか、嫌な予感がする・・・・・」

 

士郎は久々に感じる危機感にドヨ〜ンとした空気を背負いながら気だるげに、吐いた。

 

 

 

 

俺の予感は的中した。今日の家庭科は調理実習(味噌汁にごはん、鯖の塩焼きだ)。もちろん班分けをしたのだが・・・・まあ、クーフェイさんと超は良い、しかし何で、長瀬、桜咲と一緒になるんだ? 唯でさえこの二人は、俺の事を時たま見てるのに・・・・・・ゴット、俺、何か悪い事しましたか?

 

「それでは、班も決まりましたので。準備が終わりしだい料理を始めてください。」

 

ネギが少し嬉しそうに言う。多分、日本の食卓定番の三品が食べられるからだろう。この間も違う教科の臨時教師して騒ぎに巻き込まれたのに、・・そういえばあの後スカウトしたいと言われて、困ってたな〜・・・・・・いいや、とりあえず準備をしよう。

 

士朗は少し疲れたような顔をして、俎板を取りに行った。・・・

 

「準備が出来たのは良いのでござるが・・・・拙者、鯖を捌いた事が無いのでござるよ。」

 

楓は、少し困った顔をして言う。

 

「私も鯖は食べるんですが・・・そのままの物は調理した事がないので・・・・」

 

刹那も、恥ずかしそうに言う

 

「ワタシ、料理できないアルよ〜」

 

クーフェイは、何故か自慢げに言う

 

「中華ならできるけど、和食は苦手ネ。がんばネ士郎」

 

「超、ご飯炊く位出来るだろ? 鯖と味噌汁は俺がやるから他のみんなに指示を出しといてくれ」

 

士郎は、超にそう言うと包丁を手に持って、少し顔を顰めて楓に聞いた。

 

「長瀬さん、他に包丁は在りませんでしたか?」

 

「いや、無かったでござるよ。衛宮殿」

 

そうか・・・・と士郎は言い、包丁に視線を移した。その包丁は、少し刃が欠けており切れ味も鈍そうだった。もちろん、この包丁を使っても料理はできる。駄菓子菓子もといだがしかし、この男、家事をさせれば世界有数の家政夫なのである。このままで終わる訳が無い!!

 

「ふむ、仕方ないな。桜咲さん、俺の鞄を取ってくれ」

 

「あ、はい これですね、それと私の事は呼捨てでいいです。私も士郎と呼びますので(ここは少し気を許している様に見せた方が監視しやすいか)」

 

「あ、拙者のことも呼捨てでいいでござるよ、衛宮殿」

 

「分かったよ。桜咲、それと長瀬、俺の事は士郎でいいぞ」

 

楓は「あいあい」と少し嬉しそうに言った。

そして、士郎が自分の鞄から取り出したのはなんとマイ・包丁だった。・・・なんで持ち歩いてんだよ。

 

「し、士郎(衛宮殿)何で包丁を持ち歩いてるんですか(でござるか)?」

 

ちょっとビックリしたのか後頭部に汗をたらしながら聞いてくる長瀬、桜咲 両名・・

 

「もしもの時の為に?」

 

「そ、そうですか(そうでござるか)・・・・・・・((何時、使うんだろう))

 

二人とも何でそんなこと聞くのだろうか、・・・・まあいい、今は目の前の敵(鯖)を倒す(調理)することに集中しよう。俺の至高のマイ包丁「村正くん2」で!!

 

説明しよう!!村正くん2とは士朗が自分の為に投影し改良に改良を重ねたとんでもない包丁(数少ない才能の無駄遣い)である。元を正せば、かの妖刀「村正」の初代 二代 三代の三本を解析し、士郎自身が鍛えた物だ、英霊だって切れる・・・たぶん・・・・何やってんだろこいつ

 

すでに俺の前には、三枚に下ろされ小骨も取られた鯖がいる。何故か周りが騒いでいたが何かあったのか? 塩も振り終わったので後は焼くだけだな、焼き終わるまでの間に、味噌汁を作るか。

 

 

それから少しして、ご飯も炊き上がり味噌汁も出来たので、道具を片付け皆で食べた。ちょっと鯖の塩加減が強かったので

 

「失敗したな」

 

といったら、何故かクラスのみんなに「これで失敗?!!」とか「弟子にして下さい」とか言われた・・・・・・・なんでさ?

 

 

 

放課後

 

なぜか、俺は2−Aバカ五人集と一緒に教室に残っている。なんでも期末試験が近いらしいので、成績の悪い者は居残りで勉強らしい。正直な話俺は頭が良いなんせ、師匠達が「知識の低い魔術師は三流だ!!」と言い。勉強を教えてくれたからだ。・・・・・スパルタで・・・・・テストで九十点以上を取れなければ、お仕置きという名の攻撃に合い、満点を取ってもこれぐらいは、当たり前だと言われ続けてきた。・・・・・あれ、何だろ目からショッパイ水が出てきたよ・・・・・・

 

「し、シロウさん如何かしたんですか」

 

ネギが話掛けてくれたので現実に引き戻される。

 

「目にゴミが入って・・ね。もう取れたから大丈夫だよ」

 

「そうですか? 気をつけてくださいね?」

 

ああ・・・・・純粋な眼差しが痛い・・・・・・・・・

 

そんな、俺が中学生レベルのテストに手こずる訳も無くすぐに家に帰る事になった。帰りにスーパーにでも寄ろう

スーパーで買い物をしていたら、近衛さんに会った。今晩の夕食の事を話したり、料理のコツを教えたりしながら買い物をした・・・・・・・今度、包丁作ってプレゼントしよう

 

「今日は失敗しちまったから、これは、リベンジだ」

 

夕食の支度が終わり、テーブルの上に鯖の塩焼きと茄子の味噌汁にご飯をならべ終え

 

「いっただきま〜す。の前に風呂に水流してお湯入れとこ」

 

そして戻ってきたらそこには

 

「やっぱり、おいしいでござるな〜」

 

となぜか長瀬が、俺の晩飯を食いながらお茶を啜っていた。

 

「なんで、長瀬がここに居る」

 

「いや〜士郎殿を誘いに来たら、美味しそうな匂いがしたのでついつい」

 

「飯の事はいいから、何の誘いだ? 」

 

「これから図書館島に行くんでござるよ。」

 

「図書館島?」

 

島って・・なんでさ

 

チョットした説明?

 

士郎がマイ包丁を常備しているのは、何時如何なる時でも何処かに送られても良いようにです。

野生動物や水などは解析すれば食べれるか食べれないかは、大まかに分かるので・・・・不幸だな〜